「家を購入しようと思ってるんだけど、『注文住宅』って何?」
「『建売住宅』っていうのもあるよね? 『注文住宅』とどんな違いがあるの?」
家の購入を考えるときに出てくる、注文住宅という言葉。名前だけ聞いてもどんなものかわかりにくいですよね。
この記事では注文住宅とは何なのか、建売住宅との違いや、メリット・デメリットはどんなものがあるのかについて解説します。
最後には、注文住宅と建売住宅どちらが自分に合っているかもわかるようになっていますので、ぜひ最後まで読んでください。
注文住宅とは
注文住宅とは、注文してから建てられる住宅のことです。
施主(買うひと)が建てる前に建築会社と何度も打ち合わせをし、費用や間取り・デザイン・素材といったことを入念に決めてから建て始めます。
土地を持っていない場合は、まず土地をえらんで購入するところから始まります。
注文住宅には、「フルオーダー住宅」と「セミオーダー住宅」の2種類があり、それぞれの特徴は以下の通りです。
- フルオーダー住宅…外装から内装まですべてをイチから決める
- セミオーダー住宅…建築会社が提案する性能・仕様・建材をもとに決める
フルオーダー住宅は、間取りや設備・素材・デザインとすべてを希望通りに設定できます。20坪以下のせまい土地(狭小地)や、高低差の大きい土地にも住宅を建てることが可能です。
すべてを自由に決められるぶん、手間と知識が必要で、コストも多く掛かります。時間とお金に余裕があって、とにかくこだわりを通したいひとのための選択肢です。
セミオーダー住宅は、間取りは自由に設定できますが、基本的な構造や性能については建築会社の意向に従う形になるため、フルオーダー住宅に比べて自由度は低くなります。狭小地や高低差の大きい土地に建てることも難しいです。
ただ、ある程度カタチが決まっているぶん工期がみじかく、コストも比較的安く抑えられます。それほど細かいこだわりがなければ、セミオーダー住宅でも充分満足できるでしょう。
注文住宅と建売住宅の違い
注文してから建てる注文住宅と違って、建売住宅はすでに建っている、もしくは現在建築中の新築住宅のことを指します。
注文住宅は土地を購入してから建築会社との打ち合わせが始まりますが、建売住宅は土地と住宅がセットで販売されており、設計もあらかじめ決まっているため、注文住宅よりも引渡しまでの期間がみじかいです。
また、建売住宅は、広い土地を複数の区画に分けておなじ仕様の住宅を建てることが多く、数棟程度の小規模分譲住宅地から、100棟を超える大規模分譲地まであります。大規模分譲地では遠くから街並みを見たときに、外観が統一されてきれいに見えるのが特徴です。
注文住宅の5つのメリット
それでは、建売住宅ではなく注文住宅をえらぶと、どんなメリットがあるんでしょうか? ここから解説していきます。
自由度が高い
注文住宅の最大のメリットは、自由度の高さです。誰でも使いやすいように無難な設計になっている建売住宅と違って、注文住宅は完全に自分好みの家を建てられます。
間取りはもちろん、外観・壁紙・フローリング・キッチン・トイレ・耐震性といった細かいところまで決められます。
フルオーダー住宅なら地下室やビルトインガレージを設置することもでき、「こんな暮らしがしたい」という施主の希望をそのまま形にすることが可能です。
建築現場を見に行くことで手抜き工事を防げる
すでに完成している建売住宅と違って、注文住宅は建築現場を見に行くことができます。
住宅を建てる大工さんたちからすると、「施主がいつ見に来るかわからない」というプレッシャーがあり、手抜き工事ができません。
建築会社によっては第三者機関による点検を実施しており、人の目が常に入ることで欠陥住宅が建つのを防ぎます。
予算の調整がしやすい
建売住宅は売値が決まっているため、自分の予算に合った物件を探さなければいけません。
しかし、注文住宅はどこにどれくらいの費用を掛けるか自分で決められるため、予算の調整がしやすいです。
こだわりの強い部分に予算を多めに振り分け、こだわりのない部分はグレードを低くしてコストを抑える。家づくりはあれもこれも取り入れたくなって予算をオーバーしてしまいがちですが、そうやって調整することで、予算内で理想の家が建てられます。
二世帯住宅が建てられる
建売住宅で二世帯住宅に適した物件はなかなかありません。しかし、注文住宅であれば二世帯や三世帯住宅の建築も可能です。
二世帯住宅には、個人的な部屋以外すべてを共有する「同居型」、キッチン・風呂・トイレといった一部分のみを共有する「共用型」、ひとつの建物を上下で分ける、もしくはふたつの建物を庭や通路でつないだ「完全分離型」の3種類があり、どれも実現できます。
完全バリアフリーにしてホームエレベーターをつければ、祖父母世帯との暮らしもできますし、自分たちの老後も安心して住みつづけられるでしょう。
建売住宅にはない達成感が味わえる
すでに設計が決まった物件を購入する建売住宅と違って、注文住宅はイチから建築会社と打ち合わせして建てるため、完成したときの達成感が段違いです。
家に思い入れも湧きやすいですし、設計段階で家族の希望も叶えていれば、絆も深まります。
地鎮祭や上棟式といった完成前の行事を省略せずにやれば、一生に一度しかしないであろう貴重な体験ができるでしょう。
注文住宅の3つのデメリット
つづいて、注文住宅をえらぶデメリットについて解説していきます。
建売にくらべてコストが高い
先ほど少し触れましたが、建売住宅は広いまとまった土地におなじ仕様の住宅を何棟も同時に建てることで、材料を一気にまとめ買いし、設計費・建材の購入費・工事費のコストダウンを実現しています。
それに対して注文住宅はひとつひとつ仕様が違うため、このようなまとめ買いをせず、建築費用が高くなりがちです。
「せっかく自由に決められるから」とこだわりを持ちすぎると、凝ったデザインの実現やグレードの高い建材を使いたくなり、すぐに予算をオーバーしてしまいます。
予算内で抑えるために、家族と話し合って優先順位をつけていくことが大切です。
入居までの期間が長い
建売住宅は契約が済み次第すぐに入居できますが、注文住宅は土地を探すところから始めないといけないので、入居までかなりの期間が掛かります。
具体的な期間・流れとしては下の表の通りです。
購入の流れ | かかる期間 |
どんな家に住みたいかをイメージする | 1ヶ月~3ヶ月 |
土地・建築会社を探して決める | 3ヶ月~6ヶ月 |
契約手続き | 3ヶ月~10ヶ月 |
工事開始~完成まで | 4ヶ月~12ヶ月 |
完了検査~引渡し・入居 | 1ヶ月~3ヶ月 |
購入しようと思い立ってから入居まで、期間はだいたい12ヶ月~34ヶ月掛かります。
これはあくまで目安で、条件に合った土地がなかなか見つからない場合は、もっと掛かるかもしれません。
このように入居までの期間が長いのは、注文住宅のデメリットといえます。
完成するまで実物が見られない
完成した住宅を見てから契約できる建売住宅と違い、注文住宅は契約して完成するまで実物が見られません。
そのため、実際に建ててみるまでイメージが湧きづらいというデメリットがあります。
完成してから「思ってたのと違った」「意外とせまい」というのはよくあるパターンで、素人が一発で完璧な住宅を建てるのはかなり難しいです。
注文住宅はこんなひとにおすすめ
ここまで挙げてきたメリット・デメリットを踏まえて、注文住宅がおすすめなひと、もしくは建売住宅がおすすめなひとは、以下のようなひとです。
注文住宅がおすすめなひと
- 間取りやデザインを自分で決めたい
- 時間が掛かってもいいからこだわりを通したい
- 二世帯住宅を建てたい
- 自分の家が建っていく様子を見たい
建売住宅がおすすめなひと
- すぐに入居したい
- 実物を見て購入するかどうかを決めたい
- 間取りやデザインが決められているほうがえらびやすい
- 土地探しや建築会社との打ち合わせがめんどくさい
4つずつ条件を挙げましたが、どれも注文住宅(建売住宅)にしかない要素なので、自分がどちらに当てはまるかで決めましょう。
強いこだわりがあるなら、時間は掛かっても注文住宅で実現させたほうが後々後悔せずに済みます。
とくに二世帯住宅は建売住宅で見つけるのは困難なので、条件に合った物件を探すより自分で建てたほうが早いです。
自分の家が建っていく現場を見ることは、手抜き工事を防ぐ意味もありますし、何より貴重な体験になりますよ。
ここまで書いてきましたが、デメリットを差し引いても充分建てる価値があるのが注文住宅です。この記事を読んだことで、注文住宅とは何なのかという疑問が解消されることを願っています。
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