「注文住宅を建てようと思ってるんだけど、坪単価ってなに?」
「相場はいくらなの? 坪単価の計算方法についてくわしく知りたい!」
注文住宅を建てる際に出てくる言葉、『坪単価』。あまり聞きなれない言葉でよくわからないですよね。
この記事では、坪単価とは何なのか・坪単価の計算方法・計算する際のポイント・大手ハウスメーカーの平均相場について解説します。
読めば注文住宅の坪単価についての疑問が解消されるようになっていますので、ぜひ最後まで読んでください。
坪単価とは
坪単価とは、建物を建てる際の1坪(約3.3㎡)あたりにかかる建築費用のことです。建物の本体価格または建築費用を延べ床面積で割ることで計算できます。
延べ床面積とは、建物の各階の床面積の合計です。2階建ての家を建てる場合は1階と2階の床面積を足して計算します。
たとえば、30,000,000円の建築費用で延べ床面積50坪の注文住宅を建てるとすると、以下のような計算になります。
30,000,000÷50=600,000
この場合、坪単価は600,000円です。逆に、「坪単価600,000円で延べ床面積50坪の注文住宅を建てたい」と思った場合、
600,000×50=30,000,000
という計算で、建築費用を30,000,000円用意すればいいということがわかります。
坪単価を計算する際の4つのポイント
つづいて、坪単価を計算する際のポイントを解説していきましょう。
坪単価の計算式は建築会社によって違う
坪単価の基本的な計算方法を解説しましたが、じつは注文住宅の坪単価の計算方法には明確な定義がなく、建築会社(ハウスメーカーや工務店)はそれぞれ独自の計算式で坪単価を出しています。
たとえば、よくあるのが延べ床面積ではなく施工面積で計算するパターンです。
施工面積とは、延べ床面積に玄関ポーチやベランダ・地下室といった、「延べ床面積に含まない面積」を足したものです。
とうぜん延べ床面積よりも施工面積のほうが数値が大きいので、施工面積で計算したほうが坪単価が安く見えます。
例を出すと、
A社:坪単価600,000円(延べ床面積で計算)
B社:坪単価500,000円(施工面積で計算)
この2社をくらべると、ぱっと見はB社のほうが安く見えますよね。しかし、A社は延べ床面積で計算しているので、条件が平等ではありません。
これを平等な条件にすると、
A社:坪単価450,000円(施工面積で計算)
B社:坪単価500,000円(施工面積で計算)
このようにじつはA社のほうが安い可能性があるのです。
これはあくまで例として出した計算なので、実際にこの金額になるとは限りませんが、条件を平等にしないとどちらの坪単価が安いかは比較できないということです。
坪単価には別途工事費や諸費用は含まれない
坪単価は建物の本体価格または建築費用を延べ床面積で割ったものであり、別途工事費や諸費用は含まれません。
具体的には、坪単価に含まれるものと含まれないものは以下のようになります。
坪単価に含まれるもの
- 本体工事費
- 建築中に掛かる電気代・水道代
- 建築確認申請の手続きに掛かる費用
- 長期優良住宅認定申請費
- 設計料・工事管理費
坪単価に含まれないもの
- オプション料金
- 水道・ガス・電気の引き込み工事費
- 照明器具・カーテン・空調設備の取り付け費用
- 登記費用
- 仲介手数料
- 印紙税
- 固定資産税の清算金
- 都市計画税の清算金
- 水道加入金
- 排水負担金
- 地盤調査・改良工事費用
- 住宅ローン手数料・保証料
- つなぎ融資手数料
- 火災保険料
- 適合証明書発行手数料
- 外構工事費
- 地鎮祭費用
- 上棟式費用
- 引っ越し代
- 不動産取得税
坪単価に含まれないものだけで予算の2割~3割程度を使います。たとえば予算30,000,000円で注文住宅を建てるとしたら、6,000,000円~9,000,000円は坪単価に含まれない費用に掛かると思ってください。
ただし、坪単価にどこまで含まれるかは明確な決まりはなく、建築会社によってさまざまです。
ここで挙げたのは一般的な例であり、おなじ建築会社でも営業マンによって計算方法が違うこともあるので、どこまで含んでいるのか見積もりを出してもらう段階で確認しましょう。
なお注文住宅の諸費用については以下の記事でさらに詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
おなじ延べ床面積でも坪単価が高くなる場合がある
延べ床面積がおなじでも、坪単価が高くなる場合があります。たとえば、以下のような場合です。
- 外壁に凹凸のある住宅を建てる
- グレードの高い設備を使う
外壁に凹凸があると、ふつうの四角い家に比べて外周が長くなり、材料費が増えるうえに建築の手間も掛かるため、建築費用が上がって坪単価が高くなります。
グレードの高い設備を使えばとうぜん建築費用が高くなり、おなじ面積でグレードの低い設備を使った住宅よりも、坪単価が上がります。
建築会社によって、最初から高いグレードの設備を使う前提で坪単価を提示してくる会社もあれば、安く見せるためにもっとも低いグレードで坪単価を提示してくる会社もあるので、坪単価だけを見て比較するのは危険です。
高いグレードの設備を使う前提なら下げることも可能ですが、もっとも低いグレードを前提にしている場合、好みに合わせてグレードアップする必要があり、最初に出された坪単価よりもはるかに高い費用が掛かってしまいます。
延べ床面積がせまくなると坪単価は高くなる
では、おなじグレードの設備を使って延べ床面積のせまい住宅を建てた場合、坪単価はどうなるでしょうか。
「延べ床面積がせまくなれば本体価格も下がって坪単価は安くなるのでは?」と思うかもしれませんが、じつはこの場合坪単価は高くなります。
理由は、延べ床面積が減ってもキッチン・風呂・トイレといった住宅設備を減らすことができないからです。
これらの設備はほかの場所に比べて面積あたりに掛かる費用が高く、延べ床面積がせまくなると安い部分が減って高い部分がそのまま残ることになります。
その結果、本体価格はあまり下がらず、坪単価が割高になるのです。
大手ハウスメーカー坪単価ランキングベスト10
注文住宅を建てるにあたって、建築会社をえらぶ際に坪単価だけで比較するのは危険だと解説しました。
とはいえ、何も比較する材料がないと選択のしようがないので、参考材料として坪単価を見るのはアリです。
そこで、大手ハウスメーカー(住宅メーカー)10社を坪単価の安い順にランキング形式でまとめました。下の一覧表を見てください。
順位 | 社名 | 坪単価 |
1位 | タマホーム | 300,000円~800,000円 |
2位 | トヨタホーム | 400,000円~1,000,000円 |
3位 | 住友不動産 | 500,000円~600,000円 |
4位 | 住友林業 | 600,000円~800,000円 |
5位 | パナソニックホームズ | 600,000円~1,000,000円 |
5位 | セキスイハイム | 600,000円~1,000,000円 |
5位 | 積水ハウス | 600,000円~1,100,000円 |
8位 | 一条工務店 | 630,000円~710,000円 |
9位 | ミサワホーム | 650,000円~800,000円 |
10位 | へーベルハウス | 700,000円~1,500,000円 |
※ランキングは最安値を基準につけています
1位は坪単価300,000円から建てられるタマホーム。次いで2位が坪単価400,000円から建てられるトヨタホーム、3位が坪単価500,000円から建てられる住友不動産です。
各ハウスメーカーの坪単価から平均を計算すると、744,500円です。注文住宅を建てる際の坪単価の相場として、これぐらい掛かると思っておきましょう。
これはあくまで参考値であり、坪単価は材料費の高騰や建築会社の方針変更によって年々変動します。
注文住宅を建てる際はこのランキングを見て即決せずに、各建築会社に見積もりを出してもらって確認してください。
ここまで書いてきましたが、「坪単価」とひと口にいっても建築会社によって計算方法がバラバラなので、参考値でしかないことを理解しておきましょう。
この記事を読んだことで、注文住宅の坪単価に関する疑問が解消されることを願っています。
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