「注文住宅を購入しようと思ってるんだけど、費用っていくらぐらい掛かるの?」
「建築費用以外にもいろいろ掛かるんだよね? 相場がいくらか知りたい!」
誰もが一度は夢見る注文住宅。どんな費用がいくら掛かるのか、購入前に知っておきたいですよね。
建築費用と土地代だけで予算を組んでいると、莫大な諸費用を請求されて、理想とはかけ離れた住宅を建てることになってしまいます。
この記事では、注文住宅に掛かる費用をすべて挙げ、金額の相場と、いくらの予算でどんな注文住宅が建てられるかについて、わかりやすく解説します。
注文住宅に掛かる費用
まず、どんな費用が掛かるかについて、ひとつひとつ見ていきましょう。
土地の購入費用
土地を購入するために、以下の費用が掛かります。
手付け金
手付け金とは、土地の購入者が不動産会社に対して土地代金の一部を最初に支払っておくことで、契約成立の証拠になる費用です。
手付け金を支払った後に購入者の都合でキャンセルしたくなった場合、手付け金は返ってきません。
さらに、キャンセルを申請したときにすでに工事に着手していた場合、損害賠償が別途発生します。
逆に、不動産会社の都合でキャンセルになった場合は、2倍の金額になって購入者に返金されます。
金額の相場としては、購入した土地の5%~10%が目安です。たとえば10,000,000円の土地を購入する場合は、500,000円~1,000,000円程度。
この数値はあくまで目安で、購入者と不動産会社の交渉によって決まるため、5%を下回る場合や0円で済む場合もあります。
登記費用
登記は、「この土地と住宅は私のものです」ということを公的に認めてもらうための手続きです。
掛かる費用を下の表にまとめましたので、見てください。
名称 |
掛かる費用 |
所有権移転登記費用 |
登録免許税(土地の固定資産税評価額の1,000分の15) |
建物滅失登記費用 |
司法書士への報酬約50,000円 |
地目変更登記費用 |
司法書士への報酬約40,000円 |
抵当権設定登記費用 |
登録免許税(住宅ローン借り入れ額の1,000分の1) |
建物表題登記費用 | 司法書士への報酬約100,000円 |
建物所有権保存登記費用 |
登録免許税(住宅の認定価格の1,000分の1.5) |
「所有権移転登記費用」とは、他人名義になっている土地の所有権を、自分に移すための費用です。固定資産税評価額は土地価格の50%~70%が目安で、10,000,000円の土地を購入した場合は約90,000円+司法書士への報酬が掛かります。
「建物滅失登記費用」とは、いま住んでいる家や古い建物を取り壊して注文住宅を建てる場合に、「もともとあった建物が存在しなくなったこと」を証明するための費用です。
「地目変更登記費用」とは、農地や山林といった住宅用以外の土地を、住宅用に変更するための費用です。
「抵当権設定登記費用」とは、将来的に住宅ローンが支払えなくなった場合に、土地と建物を銀行に引き渡す権利があることを証明するための費用。たとえば30,000,000円の住宅ローンを組んだ場合は30,000円+司法書士への報酬が掛かります。
「建物表題登記費用」とは、新築した建物の所在地や家屋番号・構造・所有者といった情報を登録するための費用です。
「建物所有権保存登記費用」とは、新築した注文住宅の所有者であることを公的に認めてもらうための費用です。認定価格は法務局が設定した価格で、仮に認定価格30,000,000円の注文住宅を購入した場合は45,000円+司法書士への報酬が掛かります。
仲介手数料(仲介会社をとおす場合)
仲介手数料は、土地を購入するときに仲介会社を通すと掛かる費用です。具体的には以下の計算になります。
- 土地価格2,000,000円以内の場合…土地価格の5%+消費税
- 土地価格2,000.001円~4,000,000円の場合…土地価格×4%+20,000円+消費税
- 土地価格4,000,001円以上の場合…土地価格×3%+60,000円+消費税
たとえば10,000,000円の土地を購入するなら、
【10,000,000×0.03+60,000】×1.1=396,000
という計算になり、396,000円の仲介手数料が掛かります。
印紙税
印紙税は、土地の売買契約書に収入印紙を貼ることで納める税金です。
金額は土地の購入価格によって変わってきます。下の表にまとめたので見てください。
土地購入価格 | 印紙税額 |
10,000円~100,000円 | 200円 |
100,001円~500,000円 | 200円 |
500,001円~1,000,000円 | 500円 |
1,000,001円~5,000,000円 | 1,000円 |
5,000,001円~10,000,000円 | 5,000円 |
10,000,001円~50,000,000円 | 10,000円 |
50,000,001円~100,000,000円 | 30,000円 |
100,000,001円~500,000,000円 | 60,000円 |
500,000,001円~1,000,000,000円 | 160,000円 |
5,000,001円~10,000,000円の土地を購入する場合は5,000円。10,000,001円~50,000,000円の土地を購入する場合は10,000円です。
注文住宅のために土地を購入するなら、このどちらかになる可能性が高いでしょう。
固定資産税の清算金
固定資産税とは、土地・住宅の所有者に掛かる税金です。毎年1月1日時点の所有者が1年分の税金を支払います。
注文住宅を建てる際は他人の土地を購入することになるので、たとえば5月1日時点で土地の所有権が自分に移る場合、もとの所有者がすでに支払ってくれている12月31日までの約8ヶ月分の固定資産税を、払わなければいけません。
金額としては、固定資産税評価額(土地の購入価格の50%~70%)×1.4%で計算します。
10,000,000円の土地を購入した場合、1年分の固定資産税は70,000円~98,000円です。
5月1日から12月31日までは245日残っているため、日割り計算して、清算金は46,986~65,780円になります。
不動産会社によっては、1月1日ではなく4月1日を起算日にして日割り計算するところもあります。その場合1月1日のつもりで計算していると、残り日数が多くなって、予想より金額が高くなることがあるので、注意しましょう。
都市計画税の清算金
都市計画税とは、1月1日時点で「市街化区域内」に土地・建物を所有しているひとが納める税金です。
「市街化区域」とは、家屋や商業施設が密集している、もしくは10年以内に密集させる予定のある区域のことです。
これから注文住宅を建てるのが「市街化区域内」かどうかは、以下の3つの方法で確認できます。
- 自治体の窓口で聞く
- 不動産会社に聞く
- ネットで「市町村名+市街化区域」で検索する
おなじ市内でも場所によって変わってくるので、まずは注文住宅を建てる土地の住所を確認しましょう。
都市計画税は固定資産税とおなじく、12月31日までの残り日数分の金額を、清算金として支払います。
金額は、固定資産税評価額(土地と住宅を足した価格の50%~70%)×税率(上限0.3%)で計算します。
目安として、10,000,000円の土地を購入して30,000,000円の注文住宅を建てた場合、1年分の都市計画税は60,000円~84,000円です。
仮に5月1日に注文住宅の引渡しがあった場合、12月31日までは245日残っているため、日割り計算して、清算金は40,273円~56,383円になります。
水道加入金
購入した土地に水道が来ていない場合、引き込み工事をするために水道加入金が必要です。
金額は、水道メーターの口径によって、以下のように変わってきます。
- 13ミリ…30,000円~100,000円
- 20ミリ…40,000円~200,000円
- 25ミリ…80,000円~400,000円
13ミリは小規模な住宅用、20ミリは標準~やや大きめの住宅用、25ミリは使用水量がかなり多い住宅用です。
料金は各自治体が設定しているため、おなじ口径でも注文住宅を建てる地域によって金額に大きな差があります。
例として、神奈川県横浜市では25ミリ以下の水道加入金は一律81,000円となっています。
排水負担金
排水負担金とは、生活排水を農業用水路をつかって処理する場合に支払う料金です。
金額は下の表のようになっています。
浄化槽の大きさ | 年額 | 加入時 | 加入時手数料 |
5人槽 | 2,740円 | 16,200円 | 3,000円 |
7人槽 | 3,840円 | 22,680円 | 3,000円 |
10人槽 | 5,490円 | 32,400円 | 3,000円 |
設置する浄化槽の大きさによって掛かる金額が違い、5人槽では加入時に19,200円、その後毎年2,740円の使用料が掛かります。
公共下水道を利用できる土地であれば、排水負担金は掛かりません。
地盤調査費用
地盤調査とは、これから注文住宅を建てる土地が「軟弱地盤」ではないかどうかを確認する作業です。
「軟弱地盤」に建てた住宅は、住宅そのものの重さに耐えきれずに傾いてしまったり、地震が来た場合に地割れしてしまう可能性があります。
費用としては、一般的な木造住宅だと50,000円~100,000円程度、鉄骨や鉄筋コンクリートといった木造以外の住宅だと200,000円程度が相場です。
地盤調査によってその土地が「軟弱地盤」だったことが判明した場合、以下の3種類のなかから適した地盤改良工事をすることができます。
- 軟弱地盤層が浅い場合…「表層改良」
- 軟弱地盤層が深い(2m~8m)場合…「柱状改良」
- 軟弱地盤層がさらに深い、または地盤の硬さが均一ではない場合…「鋼管杭改良」
費用は土地の広さによって変わってきますが、30坪の木造住宅で「表層改良」は200,000円~400,000円、「柱状改良」は400,000円~700,000円、「鋼管杭改良」は900,000円~1,300,000円が相場です。
住宅ローンを組む際の費用
住宅ローンを組む際に、以下の費用がかかります。
住宅ローン融資事務手数料
住宅ローン融資事務手数料は、お金を借り入れるために銀行に支払う手数料です。
住宅ローン融資事務手数料には「定率型」と「定額型」の2種類があり、前者は借り入れ金額×手数料率で計算され、後者は借り入れ金額に関係なく一定の金額を支払います。
とうぜん、「定率型」は借り入れ金額が大きくなればなるほど支払い金額が大きくなるため、金額が変わらない「定額型」のほうが住宅ローン融資事務手数料は安く抑えられます。
たとえば「定率型」で30,000,000円~50,000,000円の借り入れをした場合の支払額を下の表にまとめました。見てください。
借り入れ金額 | 手数料率 | 住宅ローン融資事務手数料 |
30,000,000円 | 2% | 600,000円 |
35,000,000円 | 700,000円 | |
40,000,000円 | 800,000円 | |
45,000,000円 | 900,000円 | |
50,000,000円 | 1,000,000円 |
手数料率の相場は1%~2%程度なので、2%と仮定して計算しました。
30,000,000円の借り入れをした場合で600,000円、50,000,000円の借り入れをした場合は1,000,000円の手数料が掛かります。
「定額型」の手数料は54,000円程度なので、これだけ見ると「定率型」を選ぶメリットはないように見えますよね。
しかし、「定額型」は手数料は安くても住宅ローンの金利が0.3%ほど高くなり、計算すると下の表のようになります。
借り入れ金額 | 住宅ローン金利 | 手数料+利息総額 |
「定率型」で30,000,000円 |
1.41% | 8,625,951円 |
「定額型」で30,000,000円 |
1,71% | 9,942,235円 |
30,000,000円の借り入れで「定額型」の手数料を54,000円と仮定し、35年ローンで総額を計算すると、「定率型」のほうが1,316,284円安く済む計算になりました。
金利は金融機関によって違うのであくまで目安ですが、長い目で見れば「定率型」のほうがお得です。
住宅ローン保証料
住宅ローン保証料は、ローンの支払いが困難になった場合に、保証会社に代わりにローンを支払ってもらうための費用です。
住宅ローン保証料の支払い方法には、「一括払い」と「金利上乗せ払い」の2種類があります。
「一括払い」は文字通り、ローンの返済年数分の保証料を前払いする支払い方法です。
「金利上乗せ払い」は、ローンの金利に保証料分の金利を上乗せすることで、支払います。
「一括払い」と「金利上乗せ払い」のあいだには支払い金額の差があり、借り入れ期間が長くなればなるほど「一括払い」のほうが安いです。
例として、りそな銀行で30,000,000円の住宅ローンを組んだ場合の保証料を、下の表にまとめました。見てください。
借り入れ期間 | 保証料(一括払い) |
保証料(金利上乗せ払い) |
1年 | 30,480円 | 32,648円 |
2年 | 58,260円 | 63,101円 |
3年 | 85,320円 | 93,859円 |
4年 | 111,720円 | 124,913円 |
5年 | 137,400円 | 156,270円 |
6年 | 162,780円 | 187,932円 |
7年 | 187,200円 | 219,889円 |
8年 | 210,930円 | 252,146円 |
9年 | 233,970円 | 284,713円 |
10年 | 256,320円 | 317,572円 |
11年 | 279,060円 | 350,743円 |
12年 | 300,180円 | 384,195円 |
13年 | 320,640円 | 417,965円 |
14年 | 340,350円 | 452,024円 |
15年 | 359,460円 | 486,383円 |
16年 | 377,850円 | 521,031円 |
17年 | 395,610円 | 556,000円 |
18年 | 412,740円 | 591,245円 |
19年 | 429,240円 | 626,800円 |
20年 | 445,020円 | 662,659円 |
21年 | 462,480円 | 698,805円 |
22年 | 477,210円 | 735,238円 |
23年 | 491,220円 | 771,993円 |
24年 | 504,780円 | 809,008円 |
25年 | 517,620円 | 846,350円 |
26年 | 530,070円 | 883,971円 |
27年 | 541,890円 | 921,828円 |
28年 | 553,200円 | 960,109円 |
29年 | 564,000円 | 998,521円 |
30年 | 574,110円 | 1,037,416円 |
31年 | 583,890円 | 1,076,385円 |
32年 | 593,070円 | 1,115,852円 |
33年 | 601,890円 | 1,155,509円 |
34年 | 610,440円 | 1,195,351円 |
35年 | 618,420円 | 1,235,581円 |
「一括払い」の場合、借り入れ期間35年で住宅ローンを組むと、618,420円の保証料が掛かります。
「金利上乗せ払い」の場合は住宅ローン金利に0.2%上乗せされ、仮にもともとのローン金利が1,41%だとすると、借り入れ期間35年で保証料の総額は1,235,581円です。
長期のローンになればなるほど、「一括払い」のほうが安く済むことがわかりますね。
住宅ローン斡旋手数料
住宅ローン斡旋手数料は、ローンを借りるための手続きを不動産会社に依頼して、代わりにやってもらうための手数料です。
法律上金額に上限はなく、不動産会社が設定した金額を払うことになります。
相場としては30,000円~500,000円程度です。
住宅ローン斡旋手数料は、以下のように名前を変えて請求されることもあるので、覚えておきましょう。
- 「住宅ローン事務手数料」
- 「住宅ローン斡旋料」
- 「融資事務代行手数料」
- 「融資斡旋事務手数料」
これらはすべて、住宅ローン斡旋手数料とおなじ意味の費用です。
とくに「融資事務代行手数料」は先ほど紹介した「住宅ローン融資事務手数料」と名前が似ていますが、「住宅ローン融資事務手数料」は銀行に支払う費用で、「融資事務代行手数料」は不動産会社に支払う費用です。
印紙税
印紙税は、ローンの契約書に収入印紙を貼ることで納める税金です。
先ほど「土地の購入費用」として挙げましたが、住宅ローンを組むときにも印紙税が掛かります。
金額はローンの借り入れ額によって変わります。各借り入れ額ごとの印紙税額を下の表にまとめたので、見てください。
借り入れ金額 | 印紙税額 |
10,000円~100,000円 | 200円 |
100,001円~500,000円 | 400円 |
500,001円~1,000,000円 | 1,000円 |
1,000,001円~5,000,000円 | 2,000円 |
5,000,001円~10,000,000円 | 10,000円 |
10,000,001円~50,000,000円 | 20,000円 |
50,000,001円~100,000,000円 | 60,000円 |
100,000,001円~500,000,000円 | 100,000円 |
500,000,001円~1,000,000,000円 | 200,000円 |
10,000,001円~50,000,000円の借り入れをする場合は20,000円。50,000,001円~100,000,000円の借り入れなら60,000円です。
注文住宅の購入で住宅ローンを組む場合は、このどちらかになる可能性が高いでしょう。
つなぎ融資手数料
「つなぎ融資」は、注文住宅の建築に掛かる費用を融資してくれるシステムです。
住宅ローンは家が完成するまで融資が始まりませんが、注文住宅は建築費用の一部を「着工金」・「中間金」・「竣工金」として家の完成前に支払う必要があります。
これらはそれぞれ建築費用の30%を支払うのが一般的で、支払いが困難な場合に「つなぎ融資」を利用します。
住宅ローンが始まるまでのあいだは「つなぎ融資」の利息のみを支払い、住宅ローンが始まってから本格的に返済を始める、という仕組みです。
金利は2%~4%が相場で、「つなぎ融資手数料」の金額は金融機関によりますが、100,000円程度です。
火災保険料
住宅ローンの契約をする際、金融機関から火災保険の加入を求められます。
火災保険料はその注文住宅によって大きく違い、以下の要素を参照して金額を決定します。
- 住宅の構造(耐火性)
- 床面積
- 建築金額
- 補償範囲
鉄骨や鉄筋コンクリートといった耐火性に優れた素材でできている住宅は保険料が安く、逆に耐火性の悪い木造住宅は保険料が高めです。
床面積は広いほうが住宅自体も大きくなり、保険料が高いです。
建築金額が高いと価値が高い建物だとみなされ、保険料も上がります。
補償内容は火災だけではなく、風災・水災・盗難・破損・地震といったように範囲を広げると高くなります。
これらの要素を加味して、火災保険料の相場を出すと、年間30,000円~90,000円程度が相場です。
適合証明書発行手数料
「適合証明書」とは、建物が住宅金融支援機構が定めた技術基準をクリアしていることを示す証明書で、「フラット35」という住宅ローンを組む場合のみ必要になります。
適合証明書発行手数料の相場は、100,000円~150,000円程度です。
団体信用生命保険料
「団体信用生命保険」とは、住宅ローンの返済中にローン契約者が死亡、または高度障害状態になった場合に、ローンの残額を保険会社が代わりに払ってくれる保険です。
保険料はローンの金利に含まれているのが一般的なので、別途支払う必要はありません。
土地の購入後に掛かる費用
ここからは、土地の購入後に掛かる費用について解説していきます。
外構工事費
外構工事とは、門扉・フェンス・駐車場といった、住宅のエクステリア部分の工事です。
金額としては、注文住宅の建築費用の1割が相場になります。
たとえば30,000,000円の注文住宅を購入する場合は、3,000,000円程度の費用です。
最低限の費用で抑えたければ500,000円程度で済ませることもできますが、外構工事費を安くすると、以下のような弊害が出る可能性があります。
- 玄関の前に段差を作らなかったことで、豪雨の日に住宅が浸水してしまう
- 住宅そのものは綺麗なのに、エクステリアが極端に安っぽく見える
- 駐車場の路面がデコボコしていて、入出庫時に不快
このような弊害を出さないために、建築費用の1割の金額を外構工事費として用意しておきましょう。
地鎮祭費用
地鎮祭とは、土地の神様に工事の無事を祈る儀式です。
掛かるのは神主さんに支払う初穂料(玉串料)で、30,000円~50,000円程度が相場になります。
地鎮祭は絶対にやらなければならないものではないので、この費用は抑えたければ抑えることができます。
上棟式費用
上棟式とは、棟上げ(基礎工事完了)のタイミングで大工さんへの感謝を込めて行う行事です。
掛かる費用は、大工さんに渡すご祝儀やお清めの儀式につかう酒・塩・果物・野菜代で、だいたい100,000円程度が相場になります。
上棟式も地鎮祭とおなじく絶対にやらなければならないものではないので、この費用は抑えたければ抑えることができます。
現場管理費
現場管理費とは、工事現場に常駐する職人(現場管理者)の人件費のことです。
金額としては、建築費用の5%~10%程度が相場になります。たとえば30,000,000円の注文住宅を建てる場合、現場管理費は1,500,000円~3,000,000円が相場です。
設計料
設計料とは、注文住宅の設計業務に対する報酬です。設計業務に携わるひとの給与や、出張旅費・特許使用料といった費用がこれに含まれます。
注文住宅の設計業務には2種類あり、1つは「工務店やハウスメーカーが自社で設計するパターン」、もう1つは「工務店やハウスメーカーが外部の設計事務所に依頼するパターン」です。
金額としては、工務店やハウスメーカーが自社で設計する場合、建築費用の2%~5%程度が相場になります。たとえば30,000,000円の注文住宅を建てるなら、設計料は600,000円~1,500,000円だと思ってください。
工務店やハウスメーカーが外部の設計事務所に依頼する場合、建築費用の8%~25%が相場です。30,000,000円の注文住宅を建てるなら、設計料は2,400,000円~7,500,000円程度になります。
引っ越し代
新居への引っ越しを業者にたのむ場合、引っ越し代が掛かります。
金額は運んでもらう荷物の大きさや量によって変わってきますが、50,000円~100,000円程度が相場です。
家具購入費
新居で新生活を始めるにあたって、新しい家具を購入する費用も計算しておく必要があります。
たとえば以下のようなものが必要になるでしょう。
- エアコン(各部屋)
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- 掃除機
- 炊飯器
- オーブンレンジ
- テレビ
- テレビ台
- テーブル
- いす
- ソファー
- 照明器具
- 食器棚
- カーテン
- ベッド
- まくら
- 掛け布団
- カーペット
- 食洗器
- ストーブ
- こたつ
とくにエアコンは各部屋に用意しなければならないので、大きな費用が掛かります。
仮にこれらをすべて購入するとなると、ざっと見積もって1,800,000円程度になります。できれば余裕を持って、家具購入費だけで2,000,000円は用意しておきましょう。
不動産取得税
不動産取得税とは、土地を購入したときと住宅を新築したときにそれぞれ課される税金です。
引渡し直後のタイミングで土地の納税通知書が届き、半年後に住宅の納税通知書が届きます。
金額としては、
- 土地…【固定資産税評価額(土地の価格の50%~70%)÷2】×3%
- 住宅…【固定資産税評価額(住宅の価格の50%~70%)-12,000,000円】×3%
上記が計算方法です。土地は本来、固定資産税評価額×3%で計算し、住宅は固定資産税評価額×4%で計算しますが、2027年3月31日までは軽減措置があり、このような計算になります。
「認定長期優良住宅」の場合は、住宅の控除額を12,000,000円ではなく13,000,000円にして計算します。
10,000,000円の土地を購入して30,000,000円の注文住宅を建てる場合、土地の不動産取得税は75,000円~105,000円、住宅の不動産取得税は90,000円~270,000円(認定長期優良住宅の場合は60,000円~240,000円)です。
軽減措置には以下の条件があります。
土地の条件
- 土地を取得後、3年以内にその土地に住宅が新築されていること
- 土地の取得者が住宅の新築までその土地を引き続き所有していること
住宅の条件
- 延床面積が50㎡~240㎡以下であること
一般的な注文住宅であれば条件に反することはまずないので、軽減措置は間違いなく受けられるでしょう。
ただし、土地の不動産取得税は、住宅の建築工事が始まる前に県税事務所で決済されます。
前提として、軽減措置は住宅を建てて登記手続きをし、県税事務所に「不動産取得申請書」・「減税等申請書」を提出するまで適用されません。
そのため、納税通知書が届いた段階ではまだ土地に建物が立っていない扱いになり、軽減措置が適用されておらず、上記の計算に合わない高額な不動産取得税を請求されます。
その場合はすぐに支払わず、県税事務所に連絡し、軽減措置が適用されるまで待ってもらいましょう。
なお「認定長期優良住宅ってなに?」と思われた方は以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
注文住宅の費用の合計金額と内訳
それでは、ここまで解説してきた内容をふまえて、諸費用の具体的な合計金額と、いくらの予算でどんな注文住宅が建てられるかについて解説していきます。
予算10,000,000円の場合
10,000,000円の予算で注文住宅を建てる場合、たとえば1,000,000円の土地を購入して5,000,000円の注文住宅を建てるとすると、諸費用の合計と内訳は下の表のようになります。
内訳 | 諸費用の金額目安 |
登記費用 | 379,250円 |
仲介手数料 | 55,000円 |
印紙税(土地購入時) | 500円 |
固定資産税の清算金 | 8,400円 |
都市計画税の清算金 | 10,800円 |
水道加入金 | 65,000円 |
排水負担金 | 19,200円 |
地盤調査費用 | 100,000円 |
住宅ローン融資事務手数料(定率型) | 100,000円 |
住宅ローン保証料(一括前払い) | 103,070円 |
住宅ローン斡旋手数料 | 265,000円 |
印紙税(ローン契約時) | 2,000円 |
つなぎ融資手数料 | 100,000円 |
火災保険料 | 30,000円 |
適合証明書発行手数料 | 125,000円 |
外構工事費 | 500,000円 |
地鎮祭費用 | 40,000円 |
上棟式費用 | 100,000円 |
現場管理費 | 375,000円 |
設計料 | 175,000円 |
引っ越し代 | 75,000円 |
不動産取得税 | 9,000円 |
合計 | 2,637,220円 |
予算10,000,000円-土地代1,000,000円-建築費用5,000,000円-諸費用2,637,220円=残り1,362,780円
という計算になり、余った1,362,780円を家具の購入費用にあてることが可能です。
土地価格1,000,000円だと、首都圏では22坪~338坪、地方では30坪~295坪の土地が売られています。
建築費用5,000,000円だと、間取りの選択肢は限られます。たとえば2LDKに設定することができますが、2階建てにはできず、平屋です。
予算30,000,000円の場合
30,000,000円の予算で注文住宅を建てる場合、たとえば7,000,000円の土地を購入して15,000,000円の注文住宅を建てるとすると、諸費用の合計と内訳は下の表のようになります。
内訳 | 諸費用の金額目安 |
登記費用 | 453,750円 |
仲介手数料 | 297,000円 |
印紙税(土地購入時) | 5,000円 |
固定資産税の清算金 | 58,800円 |
都市計画税の清算金 | 39,600円 |
水道加入金 | 120,000円 |
排水負担金 | 19,200円 |
地盤調査費用 | 200,000円 |
住宅ローン融資事務手数料(定率型) | 300,000円 |
住宅ローン保証料(一括前払い) | 309,210円 |
住宅ローン斡旋手数料 | 265,000円 |
印紙税(ローン契約時) | 20,000円 |
つなぎ融資手数料 | 100,000円 |
火災保険料 | 50,000円 |
適合証明書発行手数料 | 125,000円 |
外構工事費 | 1,500,000円 |
地鎮祭費用 | 40,000円 |
上棟式費用 | 100,000円 |
現場管理費 | 1,125,000円 |
設計料 | 525,000円 |
引っ越し代 | 75,000円 |
不動産取得税 | 63,000円 |
合計 | 5,790,560円 |
予算30,000,000円-土地代7,000,000円-建築費用15,000,000円-諸費用5,790,560円=残り2,209,440円
という計算になり、余った2,209,440円を家具の購入費用にあてることが可能です。
土地価格7,000,000円だと、東京都下で22坪~36坪、首都圏では35坪~1,619坪、地方では40坪~2,344坪の土地が売られています。
建築費用15,000,000円だと、間取りは3LDK~4LDKで、2階建ての建築が可能です。
予算60,000,000円の場合
60,000,000円の予算で注文住宅を建てる場合、たとえば15,000,000円の土地を購入して30,000,000円の注文住宅を建てるとすると、諸費用の合計と内訳は下の表のようになります。
内訳 | 諸費用の金額目安 |
登記費用 | 556,500円 |
仲介手数料 | 561,000円 |
印紙税(土地購入時) | 10,000円 |
固定資産税の清算金 | 126,000円 |
都市計画税の清算金 | 81,000円 |
水道加入金 | 120,000円 |
排水負担金 | 19,200円 |
地盤調査費用 | 200,000円 |
住宅ローン融資事務手数料(定率型) | 600,000円 |
住宅ローン保証料(一括前払い) | 618,420円 |
住宅ローン斡旋手数料 | 265,000円 |
印紙税(ローン契約時) | 20,000円 |
つなぎ融資手数料 | 100,000円 |
火災保険料 | 80,000円 |
適合証明書発行手数料 | 125,000円 |
外構工事費 | 3,000,000円 |
地鎮祭費用 | 40,000円 |
上棟式費用 | 100,000円 |
現場管理費 | 2,250,000円 |
設計料 | 1,050,000円 |
引っ越し代 | 75,000円 |
不動産取得税 | 315,,000円 |
合計 | 10,312,120円 |
予算60,000,000円-土地代15,000,000円-建築費用30,000,000円-諸費用10,312,120円=残り4,687,880円
という計算になり、余った4,687,880円を家具の購入費用にあてることが可能です。
土地価格15,000,000円だと、東京都下で15坪~50坪、首都圏では45坪~592坪、地方では25坪~604坪の土地が売られています。
建築費用30,000,000円は注文住宅の標準的な価格です。これだけの予算があれば、間取りは自由に設定でき、床暖房を設置したり、建築資材に高級素材をつかうといった、広さだけではないこだわりもある程度通せるようになります。
予算100,000,000円の場合
100,000,000円の予算で注文住宅を建てる場合、たとえば30,000,000円の土地を購入して50,000,000円の注文住宅を建てるとすると、諸費用の合計と内訳は下の表のようになります。
内訳 | 諸費用の金額目安 |
登記費用 | 732,500円 |
仲介手数料 | 1,056,000円 |
印紙税(土地購入時) | 10,000円 |
固定資産税の清算金 | 252,000円 |
都市計画税の清算金 | 144,000円 |
水道加入金 | 120,000円 |
排水負担金 | 19,200円 |
地盤調査費用 | 200,000円 |
住宅ローン融資事務手数料(定率型) | 1,000,000円 |
住宅ローン保証料(一括前払い) | 1,030,700円 |
住宅ローン斡旋手数料 | 265,000円 |
印紙税(ローン契約時) | 20,000円 |
つなぎ融資手数料 | 100,000円 |
火災保険料 | 90,000円 |
適合証明書発行手数料 | 125,000円 |
外構工事費 | 5,000,000円 |
地鎮祭費用 | 40,000円 |
上棟式費用 | 100,000円 |
現場管理費 | 3,750,000円 |
設計料 | 1,750,000円 |
引っ越し代 | 75,000円 |
不動産取得税 | 810,,000円 |
合計 | 16,689,400円 |
予算100,000,000円-土地代30,000,000円-建築費用50,000,000円-諸費用16,689,400円=残り3,310,600円
という計算になり、余った3,310,600円を家具の購入費用にあてることが可能です。
土地価格30,000,000円だと、東京23区で15坪~26坪、東京都下で33坪~93坪、首都圏では31坪~1,939坪、地方では29坪~3,024坪の土地が売られています。
建築費用50,000,000円だと、注文住宅のなかでもハイクラスの金額です。建築資材に高級素材をつかうのはもちろん、内装や外装のデザインにも細かい注文をつけられます。
また、これだけの予算があれば、二世帯住宅や三世帯住宅といった大きな家も建てられるでしょう。
ここまで書いてきましたが、予算すべてを土地代と建築費用につかうことはできないので、上記の計算例を参考にして、諸費用もふくめた予算を組んでくださいね。
この記事を読んだことで、注文住宅の費用相場に関する疑問が解消されることを願っています。
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