「注文住宅を購入しようと思ってるけど、引渡しまでの流れってどんな感じ?」
「入居までどれくらいの期間がかかるの? 何からすればいいかくわしく知りたい!」
土地探しから設計まで、すべて自分の思い通りにできる注文住宅。でも、なんだか複雑そうで、購入の流れがわかりにくいですよね。
この記事では、注文住宅を購入しようと思い立ってから引渡しまでの流れについて、わかりやすく解説します。
かかる期間の目安や、やらなければいけないことも順を追って解説しますので、ぜひ最後まで読んでください。
注文住宅購入の流れ
注文住宅の引渡しまでの流れを、ひと目でわかるように下の表にまとめました。見てください。
購入の流れ | かかる期間 |
どんな家に住みたいかをイメージする | 1ヶ月~3ヶ月 |
土地・建築会社を探して決める | 3ヶ月~6ヶ月 |
契約手続き | 3ヶ月~10ヶ月 |
工事開始~完成まで | 4ヶ月~12ヶ月 |
完了検査~引渡し・入居 | 1ヶ月~3ヶ月 |
購入しようと思い立ってから引渡し完了まで、期間はだいたい12ヶ月~34ヶ月かかります。ひとつひとつ解説していきます。
どんな家に住みたいかをイメージする(1ヶ月~3ヶ月 )
注文住宅を建てるにあたって、最初にやることは、どんな家に住みたいかイメージすることです。
まず住みたいエリア・住宅の広さ・予算を決めましょう。
どのエリアに住みたいかは、具体的な地名が出てこなくても、条件から絞り込めます。
たとえば以下のような条件です。
- 駅の近くがいい
- 職場や学校に近いところがいい
- スーパーやショッピングモールが近くにある利便性の高い街がいい
- 夫婦どちらかの実家に近いところがいい
- 病院が充実している街がいい
- 静かな住宅街に住みたい
このように希望を出していくことで、自然と候補は絞られていきます。
全部を同時にかなえるエリアはなかなか見つかりにくいので、家族で話し合って優先順位をつけましょう。
エリアを決めたら次は住宅の広さ・構造を決めます。広さの目安は以下の通りです。
- 2人家族の場合…延べ床面積50㎡
- 3人家族の場合…延べ床面積60~80㎡
- 4人家族の場合…延べ床面積70~90㎡
- 5人家族の場合…延べ床面積90~100㎡
延べ床面積とは、建物の各階の床面積の合計です。この目安を知っておくだけでも、あとで建築会社に相談するときに話がスムーズに進みます。
予算についてですが、注文住宅には「土地代」+「建築代」+「諸費用」が掛かるため、予算のすべてを「建築代」に使えるわけではありません。
「諸費用」は引渡し前に支払うことが多いので、住宅ローンを組む場合でも事前にまとまったお金が必要です。
「諸費用」の金額の目安は、予算総額の2割~4割程度です。「土地代」と「建築代」に比例して金額が大きくなります。
土地・建築会社を探して決める(3ヶ月~6ヶ月)
イメージと予算が決まったら、土地と建築会社を探します。それぞれについて解説していきましょう。
条件に合った土地を探す
先ほど決めた住みたいエリアのなかから、イメージ通りの広さや予算に合った土地を探します。
土地はネットで探すこともできますが、人気の高いエリアは競争率が激しいため、不動産会社に相談することをおすすめします。
理由は、住みたいエリアの不動産会社に行けば、ネットに掲載される前の土地を紹介してもらえることがあるからです。
また、「建築条件付き」や「古家付き」の土地には注意が必要です。
「建築条件付き」の土地は、土地の売り主が指定する建築会社と、一定期間内に建築工事請負契約を結ばなければいけない、という条件になっています。建築会社を比較したり、住宅の設計について満足いくまで考えることができません。
「古家付き」の土地は文字通りすでに古い建物が建っており、解体するのに解体費用が掛かります。場合によっては再建築不可なので、せっかく購入しても注文住宅が建てられません。
建築会社を決める
土地探しと同時進行で、住宅を建ててくれる建築会社も探します。
もし条件に合った土地が見つかっても、建築基準法による制限がかかっていたり、住宅を建ててはいけない区域に当てはまっている場合があるため、土地を購入してしまう前に建築会社に相談することが重要です。
建築会社にどんな家を建てたいか希望を伝えることで、希望を実現しやすい土地をいっしょにえらんでもらえます。
ちなみに、相談に乗ってもらう段階ではまだ建築会社と契約する必要はありません。土地を決め、間取りの設計をして見積もりを出してもらってから検討すれば大丈夫です。
建築会社には以下の4種類があります。
- ハウスメーカー
- 工務店
- フランチャイズ
- 設計事務所(建築家)
ハウスメーカーは、大手ならではの安心感や安定した品質が特徴です。
工務店は、設計からアフターサービスまで一社で行っていることで、地域密着型で入居後も気軽に相談できます。
フランチャイズは、ハウスメーカーと工務店の特徴を併せ持った建築会社で、本部が新商品の開発をし、地域の工務店が施工を担当する、という体制になっています。
設計事務所(建築家)は、個性的なデザインの注文住宅を建てたい場合にえらぶ選択肢です。デザインは建築家が担当し、実際の施工は建築家が依頼した工務店が行います。
できれば最初からどれかひとつに決めてしまうのではなく、3~4社の建築会社に見積もりを出してもらい、比較検討しましょう。
その建築会社が実際に建てたモデルハウスを見に行くのも、暮らしのイメージが湧きやすいのでおすすめです。
敷地調査をしてもらう
条件に合った土地と建築会社を見つけたら、敷地調査をしてもらいます。
敷地調査とは、以下の4つの視点から土地を調査することです。
- 現地調査
- 法規調査
- 環境調査
- 地盤調査
現地調査では、敷地の高低差や水はけのよさを確認し、問題があれば対策をします。
法規調査では、その土地のインフラの整備状況や現在の所有者といった、公的な情報を役所で確認します。
環境調査とは、周辺の学校や病院までの距離を調べたり、最寄りの交通機関の時刻表や周辺の交通状況といった、その場所で暮らすにあたって必要な環境を確認する調査です。
地盤調査とは、これから注文住宅を建てる土地が「軟弱地盤」ではないかどうかを確認する作業です。「軟弱地盤」に建てた住宅は、住宅そのものの重さに耐えきれずに傾いてしまったり、地震が来た場合に地割れしてしまう可能性があります。
地盤調査をして「軟弱地盤」であることが確認された場合は、地盤改良工事が必要です。
契約手続き(3ヶ月~10ヶ月)
土地と建築会社を決めたら、つぎは契約手続きです。それぞれ解説していきます。
土地の購入契約
土地の購入契約をするにあたって、不動産会社からその土地に関する重要事項の説明を受けます。
内容を確認して問題なければ、いよいよ契約です。
土地の購入時には「手付け金」として、土地代金の5%~10%程度を先に支払います。
手付け金を支払ったあとに購入者の都合でキャンセルしたくなった場合、支払ったお金は返ってこないので注意してください。
不動産会社の都合でキャンセルになった場合は2倍になって返ってきますが、実際はそういう状況にはほぼなりません。
建物の設計を決める
土地を購入したら、建物の設計を建築会社と話し合って決めます。
すでにどんな家を建てたいかのイメージはある程度できているはずですから、希望をなるべく具体的に建築会社に伝えましょう。たとえば以下のような内容です。
- 冬でも暖かく入浴したいので、浴室乾燥機をつけたい
- 昼間日光が入りやすいように、寝室の窓を南向きにしたい
- トイレをリビング・玄関・寝室から遠ざけてほしい
- 洗濯機の設置場所を2階にしたい
- キッチンのそばに勝手口をつけてほしい
- 3人家族で使える広さのウォークインクローゼットをつくってほしい
- 車が汚れないようにガレージを設置したい
- 汚れが目立たないように、床の色をダークブラウンにしたい
このように細かく伝えることで、間取りや構造・使用する建築資材といった内容を、予算内でプランニングしてくれます。
建築請負契約をする
建物の設計が決まったら、いよいよ建築会社との建築請負契約です。
契約の際には「工事請負契約書」・「工事請負契約約款」・「見積書」・「設計図書」の4つの書類が交付されます。
「工事請負契約書」に書かれている主な内容は、以下の通りです。
- 発注者や請負者の名前
- 工期
- 引渡しの時期
- 請負代金の総額と税額
- 支払い方法
工期は、着工年月日と完成年月日が記載されており、遅れた場合の違約金はこの書類の日付けを基準に支払われます。
引渡しの時期は、「完成から〇日以内」といったように記載されます。
請負代金の総額と税額に記載されているのは、建築代に消費税と地方消費税を加えた金額です。
支払い方法には、どのタイミングでいくら支払えばいいかが書かれています。
「工事請負契約約款」には、契約に関する取り決めが書かれています。たとえば、建物に欠陥・不具合があった場合の保証期間や、工事が遅れた場合の違約金の金額といった内容です。
「見積書」には、工事費の総額と内訳が記載されています。
「設計図書」は、工事に必要な図面(設計図)と、図面で表せない工事の内容を記載した書類(仕様書)をあわせたものです。
4つの書類はボリュームが多いので、契約当日にすべて目を通すことは不可能です。事前に建築会社に写しをもらって、確認しておきましょう。
建築確認申請をして確認審査を受ける
工事を開始する前に、ここまでで決めてきた建築プランが建築基準法に違反していないかどうか、指定確認検査機関に建築確認申請をして、確認審査を受けます。
建築確認済証の交付を受けることで、法律的に問題ない建築プランであることが証明されます。
申請は建築会社がやってくれるので、自分でしなければいけないことはとくにありません。
住宅ローンを組む
確認審査が済んだら、つぎは住宅ローンの契約です。
注文住宅では建物が完成してから融資が始まるのが一般的ですが、土地代から手付け金を引いた残代金や、建築代の6~7割は、完成前に支払う必要があります。
自己資金で支払うのがきつい場合は、土地代と住宅完成後の建築代をそれぞれ別の住宅ローンを組んで支払うことも可能です。
完成前の建築代は、「つなぎ融資」を利用すれば支払いを住宅完成後に延ばせます。完成後は住宅ローンの融資が始まり、その資金で「つなぎ融資」を完済することになります。
工事開始~完成まで(4ヶ月~12ヶ月)
建築請負契約を済ませ、住宅ローンを組んだら工事開始です。住宅の完成までは以下のように進んでいきます。
- 地鎮祭
- 着工(工事開始)
- 上棟式(基礎工事完了)
- 竣工検査(完成)
地鎮祭とは、土地の神様に工事の無事を祈る儀式です。近くの神社に依頼して神主さんに来てもらうか、神社に祈祷しにいく、もしくは自分たちだけで簡易的に済ませるやり方もあります。
着工前のタイミングで、建築会社のひとが近所の住民へあいさつ回りに行きます。いっしょに行くか、別日でもいいので、着工前にあいさつ回りは済ませておきましょう。
上棟式は、棟上げ(骨組みの完成)のタイミングで大工さんへの感謝を込めて行う行事です。大工さんへご祝儀を渡したり、近所の住民へ餅をまいたりする行事ですが、省略されることも多いです。
竣工検査では、完成した建物に不具合がないかを建築基準法に基づいて検査します。建築会社のひとといっしょに、傷や汚れはないか、設備は正常に動くかといったことをすみずみまでチェックしましょう。
不具合がもしあった場合は、引渡しまでに修理してもらうか、入居後の修理になるかを書面に記載してもらいます。
完了検査~引渡し・入居(1ヶ月~3ヶ月)
住宅が完成したら完了検査を受け、建物が建築基準法の基準に適合していることが確認できれば、検査済証が交付されます。
完了検査のための申請は建築会社がやってくれるので、自分でやらなければならないことはとくにありません。
検査済証が交付されたら、手続きはすべて完了。家の鍵や保証書を受け取り、いよいよ引渡し・入居です。
引渡し日がわかった時点で、家具の購入や電気・ガス・水道の契約といった新生活の準備をしておきます。どれかひとつでも欠けたら生活できないので、引渡し日の3週間前までには手続きを済ませておきましょう。
ここまで書いてきましたが、トータルで12ヶ月~34ヶ月という長い期間がかかるものなので、上記を参考にして、計画的に進めてくださいね。
この記事を読んだことで、注文住宅購入の流れについての疑問が解消されることを願っています。
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