「家を建てようと思ってるんだけど、リビングの壁とかカーテンの色って何色にするべき?」
「家族が長く過ごす場所だし、落ち着く空間にしたいんだよね。何を基準に決めたらいいか教えて!」
人生で一度の家づくり、リビングの壁やカーテンの色で失敗したくないですよね。
この記事では、リビングの色が人間にあたえる心理効果をもとに、どのようにして色合いを決めればいいか、色彩心理学の観点からわかりやすく解説します。
読めば、あなたと家族に合ったリビングの色が見つかりますので、ぜひ最後まで読んでください。
リビングの色を決める際の11つのポイント
リビングの壁やカーテンの色は私たち人間にさまざまな心理効果をもたらし、リビングの快適性を大きく左右します。
具体的に何色だとどんな効果があるか、解説していきましょう。
赤系の色にすると暖かく感じる
壁やカーテンの色を赤・オレンジ・黄色といった赤系の色でまとめると、リビングが暖かく感じるようになります。
このように感じる理由は2つ。
1つ目の理由は、赤系の色には炎や太陽といった熱を持つイメージがあって、イメージがそのまま体感温度に直結するから。
2つ目の理由は、私たち人間には目だけでなく、皮膚からも色を感じる機能があるからです。
皮膚から色を感じる機能は、両目を隠した状態で身体にさまざまな色の光を当て、脳波や発汗から筋肉の緊張度を測る「ライト・トーナス」という実験で証明されました。
暖かさを感じる赤系の色のことを暖色と呼び、おなじ暖色でも、暗ければ暗いほどより暖かく感じる効果があります。
青系の色にすると涼しく感じる
壁やカーテンの色を青・青緑・青紫といった青系の色でまとめると、リビングが涼しく感じるようになります。
理由は、青系の色には水や日陰を連想するからです。
涼しさを感じる青系の色のことを寒色と呼び、おなじ寒色でも、明るければ明るいほどより涼しく感じる効果があります。
暖色と寒色の寒暖差は、鮮やかな色であるほどより強調され、両者の体感温度の差はなんと2℃~3℃。
また、緑色は中間色といって、暑さも寒さも感じさせません。
壁の色としてもっともオーソドックスな白は、雪をイメージさせるため、寒色と同等の涼しさです。
壁やカーテンの色を暖色にするとリビングがせまく感じる
壁やカーテンの色を暖色にすると、リビングがせまく感じます。
色には距離感を変えてしまう力があって、おなじ距離にあるものでも、色が違うだけで近くに見えたり、遠くに見えたりするのです。
おなじ距離にあっても近くに見える色を「進出色」といい、赤やオレンジ・黄色といった暖色はこの「進出色」にあてはまります。
注意点として、暖色でも「明度」が低いとこのような効果はありません。
「明度」とは、文字どおり色の明るさを表す言葉。おなじ赤でも、明るめの赤や暗めの赤といった明るさの違う赤がありますよね?
もともとの赤に白が混ざった色を「明度が高い赤」といい、逆にもともとの赤に黒が混ざった色を「明度が低い赤」と表現します。
壁やカーテンの色を「明度」の高い暖色にしたいなら、体感上リビングがせまくなることをあらかじめ知っておきましょう。
壁やカーテンの色を寒色にするとリビングが広く感じる
逆に、壁やカーテンの色を寒色にするとリビングが広く感じます。
青や青緑・青紫といった寒色は、「後退色」といい、おなじ距離にあっても遠くに感じる色です。
「後退色」にも「明度」が重要で、「明度」の低い寒色だけが「後退色」にあてはまります。
壁が遠くに感じるということは、そのぶんリビングが広く感じるということ。
錯覚でもいいからリビングを少しでも広くしたい、という場合は、「明度」の低い寒色を壁やカーテンの色に採用しましょう。
身体と精神どちらを癒す空間にしたいかで壁とカーテンの色を決める
リビングを落ち着く空間にしたいなら、色の癒し効果にも目を向けましょう。
仕事や家事・子育ての忙しさに身体が疲れているなら、壁やカーテンの色を青にするのがおすすめです。
私たち人間は青色を見ると、セロトニンというホルモンが分泌されて、リラックス効果が得られます。
身体ではなく気持ちが落ち込んでいるなら、ピンクやオレンジといった暖色がおすすめ。
ピンクは何かに助けられたいとき、オレンジは活力を得たいときに効く色です。
ただし、おなじ暖色でも赤だと興奮作用が強すぎて、気が滅入っているときにはよけい気疲れしてしまいます。
暖色にも寒色にも属さない緑色は、ストレスを解消して穏やかな気持ちになれる色です。
状況によって壁やカーテンの色を変えるわけにもいかないので、自分のライフスタイルや性格を考えて、身体と精神のどちらを癒す空間にしたいかで、リビングの壁やカーテンの色を決めましょう。
もっとも落ち着く空間の見本は和室にあり
リビングを落ち着く空間にしたいなら、和室の色づかいを参考にするのがおすすめです。
理由は、壁や障子・畳の「明度」は人間の肌の「明度」に近く、保護色だから。
保護色とは、外敵から身を守るため、あるいは獲物を待ち伏せるために、周囲から目立たなくする体色や模様のことです。
人間は保護色に囲まれていると、リラックスします。
さらに、家族のコミュニケーションを増やしたいなら、リビングのどこかに黄色のものを取り入れると会話が弾みますよ。
おなじ系統の色でも「彩度」が低い色ほど高級そうに見える
おなじ赤、おなじ青でも、「彩度」が低い色のほうが高級そうに見え、「彩度」が高い色のほうが安っぽく見える効果があります。
「彩度」とは、色の鮮やかさを表す言葉。もともとの色にグレーを混ぜることで「彩度」を調節します。
おなじ赤でもグレーをまったく混ぜていない状態を「彩度が高い赤」といい、私たち人間が見ると「派手な色」という印象を受けるのです。
逆にグレーが混ざった赤は「彩度が低い赤」といい、「地味な色」の印象を受けます。
高級感と聞いて思い浮かぶのは、上品・優雅・深み・エレガントといったイメージですよね。
地味な色のほうがこれらのイメージを表現することができます。
派手な色は軽くて安っぽい印象をあたえるので、高級感のあるリビングにしたければ、好きな色のなかから「彩度」の低い色をえらびましょう。
壁やカーテンの色を決める際はなるべく実物を見せてもらう
壁やカーテンの色を決める際に、ハウスメーカーや工務店から色見本を見せられて、そのなかからえらぶことになります。
注意しなければいけないのは、色見本は小さいため、面積の大きい実物と印象が違うということ。
ちょっと落ち着いた感じだと思っていた色が、実物を見たらずいぶん暗かった、という例が少なくありません。
色の候補を絞ったら、できるだけ大きな色見本か実物を見せてもらいましょう。
男性と女性で好みの色が違う
リビングの色合いを決める際に注意しなければならないのは、男性と女性で好みが違うということ。
一般的に男性は、「明度」を抑えた寒色を好み、黒や紺、シックな木目調を落ち着くと感じます。
女性は「明度」が高くて温かみのある色が好きで、アイボリーやオレンジ系、明るい木目調の配色にしたときに落ち着きを感じます。
これは、色から連想するイメージが男女間で異なるからです。
夫婦両方が納得いく色がなかなか見つからない場合は、男女差だから仕方ないということを理解し、歩み寄ってください。
好みの色は年齢や環境の変化によって変わっていく
好みの色は男女差だけではなく、年齢や環境の変化によって変わっていくことがあります。
たとえば独身時代は黒のスーツを着込み、バリバリ仕事をしていた女性。
しかし好きな男性ができたら「愛したい、愛されたい」気持ちが強くなって、ピンクを好むようになりました。
それから結婚して出産すると、子供にパステルカラーの服を着せているうちに、自分も優しくて穏やかな印象のパステルカラーを好きになった、という流れです。
このようにライフステージによって好みの色は変化していくので、リビングの色合いを決める際は老後のことまで考えるのではなく、今のあなたの好みで決めましょう。
子供が好む色も成長とともに変化していく
子供が好む色も、成長とともに変化していきます。
赤ちゃんは生後2~3ヶ月ごろから色の感覚が発達しはじめます。
最初に発達するのは、明るさの感覚です。
そのため、赤ちゃんは明度の高い黄色・白・パステルカラーが大好き。
しかし、6歳ごろから男女間の好みが分かれ、女の子は赤やピンク・白・ラベンダー・水色が好きになり、男の子は青・青緑・水色・黄色・黒が好きになります。
中学生ごろから女性の色は赤、男性の色は青という傾向がよりはっきりし、高校生にかけては10代特有の傾向として、黒・紺・グレー・ベージュといった地味な色が好まれるようになるのです。
つまり、子供の色の好みはどんどん変化していくので、リビングの壁やカーテンの色を決める際に子供の好みにあわせても、あまり意味はないでしょう。
ここまで書いてきましたが、家族が全員つかうスペースなだけに、全員が納得する色合いはなかなかないかもしれません。
しかし、人間に共通する心理作用というのも少なからずあるので、この記事で読んだことを参考にして、最高のリビングをつくってくださいね。
なお、この記事で紹介したのは色彩心理学にもとづくリビングの色の決めかたですが、風水の観点から開運に最適な色というものも存在します。
リビングの風水については以下の記事でくわしく解説していますので、興味がある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
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