「家を建てようと思ってるんだけど、床と壁の色って何色にするべき?」
「どんな組み合わせにするとどういう部屋になるの? 建ててからじゃ遅いし、先に知っておきたい!」
人生で一度の家づくり、内装のカラーリングで失敗したくないですよね。
この記事では、床と壁の色を何色にするとどんな心理効果が生まれるのか、色彩心理学の観点からわかりやすく解説します。
読めば、カラーサンプルを見ただけでは気づけない、色の効果がわかりますので、ぜひ最後まで読んでください。
床と壁の色の組み合わせによる9つの心理効果
床と壁の色の組み合わせは、私たち人間にさまざまな心理効果をもたらし、住み心地を大きく左右します。
具体的にどんな効果があるか、解説していきましょう。
赤系の色でそろえると暖かく感じる
床と壁を赤やオレンジ・黄色といった赤系の色でそろえると、部屋が暖かく感じるようになります。
このように感じる理由は2つ。
1つ目の理由は、赤系の色には炎や太陽といった熱を持つイメージがあって、イメージがそのまま体感温度に直結するから。
2つ目の理由は、私たち人間には目だけでなく、皮膚からも色を感じる機能があるからです。
皮膚から色を感じる機能は、両目を隠した状態で身体にさまざまな色の光を当て、脳波や発汗から筋肉の緊張度を測る「ライト・トーナス」という実験で証明されました。
暖かさを感じる赤系の色のことを暖色と呼び、おなじ暖色でも、暗ければ暗いほどより暖かく感じる効果があります。
青系の色でそろえると涼しく感じる
床と壁を青や青緑・青紫といった青系の色でそろえると、部屋が涼しく感じるようになります。
理由は、青系の色には水や日陰を連想するからです。
涼しさを感じる青系の色のことを寒色と呼び、おなじ寒色でも、明るければ明るいほどより涼しく感じる効果があります。
暖色と寒色の寒暖差は、鮮やかな色であるほどより強調され、両者の体感温度の差はなんと2℃~3℃。
また、緑色は中間色といって、暑さも寒さも感じさせません。
もっともオーソドックスな白は、雪をイメージさせるため、寒色と同等の涼しさです。
暖色にすると時間の経過がおそく感じる
床と壁の色を暖色でそろえると、時間の経過が2倍おそく感じる効果があります。
つまり、部屋に入ってから30分しか経っていなくても、1時間いたような感覚になるということ。
実際に行われた実験では、被験者に床や壁を暖色でそろえた部屋に入ってもらい、1時間経ったと感じたタイミングで部屋を出るように命じました。
すると、ほとんどの被験者が1時間経たないうちに部屋から出てきたのです。
このような結果が出る原因は、赤い色が人間にあたえる興奮作用によるもの。
友達を家に招いてティータイムを楽しみたいときは、実際は短時間でも長時間過ごしたような高い満足感が得られるため、暖色の組み合わせが向いています。
逆に何かを待っているときや、単純作業の仕事をする際はなかなか時間が経たない感覚になるので、向いていません。
寒色にすると時間の経過が早く感じる
床と壁の色を寒色でそろえると、時間の経過が2倍早く感じる効果があります。
つまり、部屋に入ってから1時間経っていても、30分しか経っていないような感覚になるということ。
先ほどの暖色と同時に行われた実験では、被験者に床や壁を寒色でそろえた部屋に入ってもらい、1時間経ったと感じたタイミングで部屋を出るように命じました。
すると、1時間を過ぎても部屋から出てこない被験者が続出したのです。
このような結果が出る原因は、青い色が人間にあたえる鎮静作用によるもの。
あっという間に時間が過ぎていく感覚になるので、単純作業の仕事をする部屋に向いています。
壁の色を暖色にすると部屋がせまく感じる
壁の色を暖色にすると、部屋がせまく感じます。
色には距離感を変えてしまう力があって、おなじ距離にあるものでも、色が違うだけで近くに見えたり、遠くに見えたりするのです。
おなじ距離にあっても近くに見える色を「進出色」といい、赤やオレンジ・黄色といった暖色はこの「進出色」にあてはまります。
注意点として、暖色でも「明度」が低いとこのような効果はありません。
「明度」とは、文字どおり色の明るさを表す言葉。おなじ赤でも、明るめの赤や暗めの赤といった明るさの違う赤がありますよね?
もともとの赤に白が混ざった色を「明度が高い赤」といい、逆にもともとの赤に黒が混ざった色を「明度が低い赤」と表現します。
壁の色を「明度」の高い暖色にしたいなら、体感上部屋がせまくなることをあらかじめ知っておきましょう。
壁の色を寒色にすると部屋が広く感じる
逆に、壁の色を寒色にすると部屋が広く感じます。
青や青緑・青紫といった寒色は、「後退色」といい、おなじ距離にあっても遠くに感じる色です。
「後退色」にも「明度」が重要で、「明度」の低い寒色だけが「後退色」にあてはまります。
壁が遠くに感じるということは、そのぶん部屋が広く感じるということ。
錯覚でもいいから部屋を少しでも広くしたい、という場合は、「明度」の低い寒色を壁の色に採用しましょう。
床を明るい色にすると広々とした印象になる
明るく広々とした印象にしたければ、床を明るい色にすると効果的。
そして部屋全体を明るい色づかいにすると、軽やかでモダンな雰囲気の部屋になります。
床を暗い色にすると落ち着いた印象になる
重厚感のある落ち着いた印象にしたければ、床を暗い色にしましょう。
また、床<壁<天井の順に「明度」を上げていくと、空間に安定感が生まれます。
リラックス空間をつくりたければ和室の色づかいを参考にする
リラックス空間をつくりたいなら、和室の色づかいを参考にするのがおすすめです。
理由は、壁や障子・畳の「明度」は人間の肌の「明度」に近く、保護色だから。
保護色とは、外敵から身を守るため、あるいは獲物を待ち伏せるために、周囲から目立たなくする体色や模様のことです。
人間は保護色に囲まれていると、リラックスします。
さらに、家族のコミュニケーションを増やしたいなら、部屋のどこかに黄色のものを取り入れると会話が弾みますよ。
ここまで書いてきましたが、色による錯覚は住み心地に影響するので、自分のライフスタイルにぴったり合う組み合わせをえらんでくださいね。
この記事を読んだことで、床と壁の配色をどうしたらいいかという悩みが解消されることを願っています。
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